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「氷の華」 [本]

天野節子「氷の華」幻冬舎

一年以上前に、ドラマ化するという腰巻きつきで文庫本が売られているのを見て、
買うか買わまいか迷ったあげく読まなかった本を図書館で見つけたので借りてみた。
ところで、ドラマ化は結局されたのかしら。ま、いいや。

出てくる登場人物の価値観が、
十年ぐらい前っぽいのだけど
発行年が2006年でちょっと不思議だった。
嫌いな性格の恭子に馬鹿みたく感情移入してしまって、
読むのが辛いのに比べて、
そんなにまでして手に入れた瀬野という男があまりにも大したことなくて
よけい物悲しい気持ちになった。

それにしても無職で子供なしの既婚の女でいることって、
すごく肩身が狭い。
恭子のプライドはバカバカしいけど小気味いいところもあったかも。
わたしもちびっとはプライドもとうかな。
なんか卑下して暮らすのにすごく疲れちゃった。
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「誰よりも美しい妻」 [本]

井上荒野「誰よりも美しい妻」マガジンハウス

バイオリニストの女たらしの夫と、息子と暮らす
美しい妻の話。
バレエのレッスンで
周囲の人と自分を比べる女の気持ちの描写にもすごく共感できました。
ウエアのこととか、なんかすごくわかるわかるーって感じでした。
(少し上達するとウエアにお金かけたくなるのね。私はスタイル悪いからかけないけど)

恋をしている夫と息子に気づかないふりをして、
かといって嫉妬するわけでも愛してないわけでもない不思議な妻の存在自体が
よくわからないけれど美しく感じて、自分でも自分が持つ感想が不可解でした。
あとがきを今読んでみたら、
誰よりも美しい妻は、見目麗しいからというわけではないと書いてあって、
少し納得しました。


最近、井上荒野さんのツイッターを発見して
フォローしているのだけど、
言葉の一つ一つがすごくツボで、
こういう言葉を持ってる人の本だから好きなのかもと思いました。
しかも、この本の感想をつぶやいたら、
ご本人から「アリガトー」のお言葉をいただいて、
感激して胸がいっぱいでした。(きっと荒野さん私よりもずっとお若い方なのでしょうが)


ただ、いくら好きでも、やっぱり本を買うとなると慎重になってしまいます。
作家のことを考えるなら
ハードカバーで本を買って読んで、、
どうしてもいらなくなったら
古本屋に売ったり図書館に寄付したりしないで捨ててくださいとどこかに書いてあった気がします。
でも、現実問題、本を捨てることなんかできないし(なんか罰があたりそう)、
ハードカバーで読みたい本を全部買う財力なんかありません。
結局、シリーズものだけ文庫でそろえて(最初の方忘れちゃうから)、
応援したい作家を2~5人ぐらい決めて、その人のだけハードカバーで買うことにしています。
(お金がある時は5人で、貧乏になると2人にするのね。)
そして、本当に申し訳ないけれど家の収納スペースがいっぱいになったら、
古本屋に売るか、欲しい人にもらってもらうか、図書館に持って行きます。
きっと、このパターンはどうしても変えられないと思います。

ちょっと良心がとがめてしまったので、
時々ストレス解消のために文庫本を買うのですが
その時の候補に荒野さんを入れることにします。
本当に本当に貧乏なおばさんでごめんなさい。
荒野さん自身が本を買えと一言も言ってないので
よけい琴線に触れて申し訳ない気持ちでいっぱいです。
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「君と一緒に生きよう」 [本]

角田光代「君と一緒に生きよう」毎日新聞社

シェルターに保護された犬たちの話(実話)で、
新聞の連載をまとめたものらしいです。

シェルターに保護された犬たちの中で
特に幸せを掴めた犬の話なので、
この本を読んで気軽に犬を捨てられては困るというようなことも書いてありました。

動物を飼って幸せにできる適性の有無は絶対にあると思います。
シェルターの動物を救えないなら、
せめてそういう運命の命を増やさないように
私は長命の動物を飼わないことを誓います。
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「破滅の箱」「再生の箱」 [本]

牧野修「破滅の箱」講談社
牧野修「再生の箱」講談社

トクソウ事件ファイルの①と②で、一緒に買って続けて読めました。
犯罪が起こりやすい状態にするとか、
犯罪が起こりにくい状態にするという事件自体も興味深かったのですが、
キアラちゃんのキャラクターが暴力的でかっこよくて素晴らしかったです。
ただ、邦夫ちゃんが残念なような微妙な気持ちでした。
気に入っていたし、まあ、それでも嫌いにはなれないんだけど。。。。。
うう、某テロ組織の友達の友達だったのかしら。
(苗字が違うし、年も見た目も違うってば)

それにしても、犯罪者になっちゃう家の設計図、見てみたい~。
その家自体にも興味津々です。
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「さくらの丘で」 [本]

小路幸也「さくらの丘で」祥伝社

主人公の祖母、孫二代の女の子たちが、
年齢の割に幼い気がして、
イメージと年齢を何度もすりあわせながら読みました。
でも、考えてみたら、こういう内容の話に
生身の女が6人(いや7人、8人か)がギラギラ燃え盛ってたら怖すぎるから、これがベストなのかも。

横峯さんがなぜ西洋館を建てたのか、
赤川さん、一警察官にしては大物すぎるんだけどどうして?とか、
(いや、お父さんがすごい大物なのよね。だって、アメリカの女性を妾にする戦中戦後あたりの日本男子って相当なはず。)
読み終わってからも妄想が止まりません。
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「女神記」 [本]

桐野夏生「女神記」角川書店

イザナミとイザナキの神話と、
貧しい南の島の男女の愛と恨みが重なる話(?)

この小説に出てくる男と、
男神は本当にずるいと思うのだけど、
案外それが現実なのかもしれないと思った。

桐野夏生さんというと、
あんまり架空っぽくない小説のイメージが強かったのだけど、
こういうのもいいかもと思った。
ただ、そうなると、どうも篠田節子さんとちょっぴりイメージが重なってしまうのだなあ。
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あさのあつこ「弥勒の月」 [本]

あさのあつこ「弥勒の月」光文社

ミステリーでもある時代小説なのかな?
読んだことないけれど、爽やか青春小説というイメージがある著者の本なので、
特に結末にすごく驚いた。
いくつか時代小説を書いていらっしゃるようですが、
全部この系統なのかなあ。
それとも、知られてる青春小説が異色な作品で、
こちらが普通の感じなのかなあ。
いろいろ考えてしまった。

特に吉田様の変貌?豹変?にすごく驚いたのと同時に、
梯子を外されたような結末のやりきれない浮遊感で、
読み終わってしばらく経っても後味の悪さをかみしめさせられてる気がする。
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「ストロベリーナイト」 [本]

誉田哲也「ストロベリーナイト」光文社

シンメトリーと同じ玲子が主人公の警察小説。

玲子の過去が明らかになったり、
事件そのものが陰惨なのだけど、
登場人物のキャラクターや関係が面白くて
暗い一方にはならない。
なんかバランスがよくて読みやすかった。

確かうろ覚えの記憶によると、
もう一冊は同じ主人公の本があったような気がするので
見つけたら読んでみようと思う。

かなり気に入ってしまったかも。
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「薄紅天女」 [本]

萩原規子「薄紅天女(上・下)」徳間文庫

勾玉三部作の三作目。
このシリーズって、全部が完全に独立してる話で、
諸設定が同じだけなのが年寄りにはすごくいいかも。

坂上田村麻呂の蝦夷征伐の前の話がベースになっていたり、
藤原薬子とかも登場するので
そのあたりの歴史についても改めて知りたくなりました。

でも、それより何より、
主人公とその親友の男の子たちのキャラクターがすごく可愛いくて、
ちょっと指輪物語のホビットたちっぽい関係も楽しかったです。
この著者のお話に出てくる女の子はもともと好きなのですが、
男の子もいいのかも。

ただ、死にかけた藤太と千種の邂逅(?)のあたりは、
電車で読んでいて、
うるうるしてしまって非常に危険でした。
電車で読むのに無難かなと思って持って出かけたのだけど、
油断してました。
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「シンメトリー」 [本]

誉田哲也「シンメトリー」光文社

警察小説の連作集。
主人公が出世欲がまあまあある美女というのが面白いかも。
美女の自覚の仕方とか、
正義感の振り回し方とか、
気が強い中にも愛嬌や冷静さがあって
なんだか可愛い(たぶん女性から見てからだと思う。草食系男子はいいと思うのかな?)

玲子の若いころの話である「手紙」が一番気に入った。
この人、本当に男性なのかなというぐらい、
女の人の性格がリアルに思えるのは
単に私の好感度が高い女性の登場人物が多いからなのでしょうか。
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